低用量ピルのオンライン診療の選び方と比較(料金・配送・相談窓口)

この記事でわかること
- 避妊目的のOCは自費、月経困難症の治療に使うLEPは保険が使えること
- 血栓症のリスクと、飲めない人の条件
- オンライン診療は、薬代だけでなく診察料・送料・解約条件まで見て選ぶこと
目次
低用量ピルは、避妊目的の「OC」(自費)と、月経困難症の治療薬「LEP」(保険適用)に分かれます。どちらも医師の処方が必要で、まれに血栓症が起こるため、35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人や、前兆を伴う片頭痛がある人などは服用できません。オンライン診療は通院の手間を減らせますが、選ぶときは「月あたりの薬代」だけでなく、診察料・送料・手数料を足した総額、定期便の解約条件、服用中に相談できる窓口を確かめることが大切です。
低用量ピルとLEPの違い(保険か自費か)
低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)を少量含む飲み薬です。使う目的によって、呼び方と費用の扱いが変わります。
| 目的 | 薬の区分 | 費用の扱い |
|---|---|---|
| 避妊 | OC(低用量経口避妊薬) | 保険適用外(全額自己負担) |
| 月経困難症(強い生理痛など)の治療 | LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬) | 保険適用 |
| PMS(月経前症候群)・PMDD | 国内ではLEPの承認された効能に含まれていない | 医師と相談 |
避妊目的のピルは保険の対象ではなく、月経困難症(子宮内膜症に伴うものと機能性のもの)の治療を目的とする一部の薬は保険が使える、と国会の質問主意書でも整理されています。地域医師会の解説でも、LEPは子宮内膜の増殖や痛みの原因物質(プロスタグランジン)の産生を抑え、痛みを和らげると考えられている、と説明されています。
生理痛に悩む人は少なくありません。厚生労働省の研究班による20〜49歳女性への調査では、約3分の1が月経困難症の症状に何らかの医療的な対応を必要としていたと報告されています。
PMSについては、ドロスピレノンを含むピルが月経前の症状と日常生活への支障を小〜中程度軽くする可能性がある、とするコクラン・レビューがあります。ただしエビデンスの質は「非常に低い〜中等度」で、偽薬でも改善がみられたとされています。また国内では、同じ成分の薬について「PMDD」の効能は承認されておらず、要望が検討されている段階です。PMSが目的の場合は、ほかの治療法も含めて医師と相談しましょう。
オンライン診療の多くは自費(自由診療)です。 今回比較するサービスも、主に自費の低用量ピルを扱っています。月経困難症で保険診療を受けたい場合は、婦人科の対面受診や、保険診療に対応した医療機関を選ぶ必要があります。
副作用と血栓症のリスク、飲めない人
よくある副作用
LEP(レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール配合錠)の添付文書では、不正出血、頭痛、吐き気、下腹部痛、乳房の痛み、むくみなどが副作用として挙げられています。飲み始めの数か月に不正出血が起こることは珍しくありません。気になる症状が続くときは、処方した医師に相談してください。
血栓症について
重大な副作用として血栓症(脚・肺・心臓・脳・目などの血管に血の塊ができる)があります。欧州医薬品庁(EMA)の2013年の評価では、1万人の女性あたり1年間の静脈血栓症の発生は次のように示されています。
| 状況 | 1万人あたり/年 |
|---|---|
| ホルモン剤を使っていない(妊娠していない)女性 | 約2人 |
| レボノルゲストレルなどを含むピル | 約5〜7人 |
| デソゲストレル・ドロスピレノンなどを含むピル | 約9〜12人 |
頻度は高くありませんが、ゼロではありません。次のような症状が出たら、服用をやめてすぐに救急医療機関を受診してください(添付文書・安全性速報より)。
- 脚の急な痛みや腫れ、しびれ
- 突然の息切れ、胸の痛み
- 激しい頭痛、手足の脱力・まひ、ろれつが回らない
- 急に見えにくくなる
服用できない人(禁忌)の例
添付文書では、次のような人は服用できないとされています(一部抜粋)。
- 35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人
- 前兆(閃輝暗点など)を伴う片頭痛がある人
- 血栓症(肺塞栓症、脳血管障害、心臓の血管の病気など)がある、または過去にあった人
- 血栓ができやすい体質の人、抗リン脂質抗体症候群の人
- 高血圧の人(軽いものを除く)
- 血管の病変を伴う糖尿病の人、脂質異常症の人
40歳以上の人は「慎重に投与」する対象です。エストロゲンを含まない「ミニピル」は静脈血栓塞栓症のリスクがないとされ、40歳以上の人や喫煙者の選択肢になる、と医師会の解説で紹介されています。持病や服用中の薬がある人は、問診で必ず伝えましょう。

オンライン診療でできること・できないこと
オンライン診療なら、通院や待ち時間なしにスマホで診察を受け、薬を自宅で受け取れます。婦人科に行く時間がとれない人、受診に抵抗がある人にとっては一つの選択肢です。
一方で、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(2026年4月改訂)には、次のようなルールがあります。
- 初診は「かかりつけの医師」が原則。 それ以外の医師が初診から行う場合は、映像を使った「診療前相談」で症状や医学的な情報を確認し、双方が合意してから診療に進みます。
- 映像(ビデオ)が原則。 文字・写真のやりとりだけで完結させてはいけない、とされています。
- 初診では処方に制限があります。 基礎疾患などの情報が把握できていない患者には、8日分以上の処方はできないとされています。
- 本人確認は原則として顔写真付きの身分証で行います。
- 医師が適切でないと判断した場合は、オンライン診療を中止して対面診療につなぎます。
つまり、内診・血圧測定・血液検査など、画面越しではできない診察が必要なときは対面受診になります。 不正出血が続く、生理痛が年々強くなる、といった場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていないか、婦人科で一度診てもらうことをおすすめします。
オンライン診療を選ぶときに見る6つの点
- 医師の専門・体制:産婦人科医が診るか、医師一覧が公開されているか。診察はビデオか電話か。
- 料金の総額:「1シート◯円〜」だけでなく、診察料(初診・再診)・送料・システム手数料を足した1か月目と2か月目以降の総額で比べる。
- ピルの種類:希望する薬(ジェネリックか先発品か)を扱っているか。種類で価格が変わるため「〜円から」の表示に注意。
- 配送:発送の締め切り時刻、ポスト投函か対面受け取りか、局留め・営業所留めに対応しているか。
- 定期便の解約しやすさ:最低受け取り回数(いわゆる回数縛り)があるか、解約の締め切り(次回決済の何日前か)、手続き方法(アプリ・フォーム・LINE)。
- 服用中の相談窓口:副作用や不正出血のとき、どこに・どうやって相談できるか。再診が必要か、その費用はいくらか。
5サービスの比較(2026年10月19日に公式サイトで確認)
並びは五十音順で、優劣を示すものではありません。料金は各公式サイトの記載をそのまま載せたもので、変更されることがあります。申し込み前に必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。確認できなかった項目は「公式サイトで確認」としています。
| サービス | 低用量ピル代(税込) | 診察料 | 送料 | その他の費用 | 定期便の解約・停止 | 診察方法・配送 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エニピル | 毎月発送プラン 3,300円〜/シート(税別)。3シートおまとめ 8,400円〜(税別)、12シート 30,000円〜(税別) | 無料 | 550円 | 定期便初回にシステム利用料3,300円。毎月プランの初月は合計7,480円(システム料・送料・薬代込み) | 次回発送の20日前までにフォームまたはLINEで連絡 | 電話またはビデオ。問診後30分以内に診療開始とされる。15時までの処方・決済で当日発送、最短翌日ポスト投函 |
| neumee(旧マイピル) | 定期便のみ。2シート 5,940円、3シート 初回5,400円・2回目以降8,100円、6シート 初回13,250円・2回目以降15,900円、12シート 初回21,120円・2回目以降31,000円 | 定期便は初診・再診とも0円(処方なしの診察1,650円、相談のみ550円) | 定期便は無料(時間指定・局留め+220円、営業所受け取り+440円) | 公式サイトで確認 | お問い合わせフォームから変更・停止。条件は公式サイトで確認 | LINE予約・ビデオ通話。平日16時、土日祝12時までの診療・決済で当日発送、最短翌日ポスト投函 |
| メデリピル | 1シート定期便 初回0円・2回目以降2,970円。6シート 初回14,108円・2回目以降17,820円、12シート 初回22,236円・2回目以降33,000円 | 無料(再診も無料) | 1シート定期便は550円/回、おまとめ便は無料(対面受け取りは+330円) | 公式サイトで確認 | 3シート目を受け取るまで解約不可(3シート目までの支払総額 7,590円) | ビデオ通話。最短翌日に届く |
| ルナルナ おくすり便 | 定期プラン(13シート)3,298円〜/シート。おまとめプラン(6シート)約2,198円〜/シート(いずれも送料込み) | 初回診療料 1,500円(処方に至らなかった場合は不要)。薬を変える場合の再診 1,500円 | 薬代に含む | 公式サイトで確認 | 次回決済の前日までアプリからキャンセル可、キャンセル料なし | 医師とのチャット・ビデオ診療。最短当日発送、ポスト投函 |
| レバクリ | 定期配送 1か月ごと2,600円/月、3・6・12か月ごと2,500円/月。単発1か月分3,258円。12か月定期の初回は22,752円 | 0円 | 550円 | 公式サイトで確認 | 決済日前日まで原則いつでも解約可、解約手数料なし | 電話またはビデオ。最短即日発送、最短翌日到着 |
※各サービスとも、診察は提携医療機関の医師が行う形式です。提携医療機関名は公式サイトのページによって記載がない場合があります。※料金はピルの種類によって異なります。「〜」は最低価格です。
1か月目にかかる金額の目安(毎月1シートで受け取る場合)
公式サイトの記載から計算した目安です。薬の種類やキャンペーンで変わります。
- エニピル:初月 7,480円(公式記載)
- メデリピル:初月 550円(送料のみ)、2か月目以降 3,520円(薬代2,970円+送料550円)。ただし3シート目までは解約不可
- ルナルナ おくすり便:初月 4,798円(3,298円+初回診療料1,500円)、2か月目以降 3,298円〜
- レバクリ:毎月 3,150円(2,600円+送料550円)
- neumee は毎月1シートのプランがなく、最小は2シート定期便(5,940円)です
どのサービスでも、医師の判断で処方されない場合や、対面受診をすすめられる場合があります。

緊急避妊薬(アフターピル)は薬局でも買えます
2026年2月2日から、緊急避妊薬(要指導医薬品「ノルレボ」)が処方箋なしで薬局・ドラッグストアで販売されています(厚生労働省)。研修を修了し、厚生労働省の一覧に掲載された薬剤師だけが販売でき、薬剤師が販売可能と判断した場合はその場(薬剤師の面前)で服用します。性交から72時間以内に服用する必要があります。販売できる薬局は厚生労働省のページで確認でき、在庫や薬剤師の勤務状況を事前に電話で確かめることもすすめられています(愛知県)。
緊急避妊薬は「もしものとき」の方法で、毎日飲む低用量ピルとは目的が異なります。避妊を継続したい場合は、医師に低用量ピルなどの方法を相談しましょう。
受診の目安
次のような場合は、オンラインではなく婦人科(産婦人科)の対面受診をおすすめします。
- 生理痛が年々強くなる、鎮痛薬が効かない、生理以外にも下腹部が痛む
- 不正出血が続く、出血量が急に増えた
- 持病(高血圧、糖尿病、片頭痛など)がある、ほかの薬を飲んでいる
- 保険診療(LEP)を受けたい
脚の痛み・腫れ、胸痛、突然の息切れ、激しい頭痛などの症状があれば、服用中止のうえすぐに救急受診してください。
よくある質問
Q1. 低用量ピルは市販されていますか?いいえ。低用量ピル(OC・LEP)は医師の処方が必要です。市販化されたのは緊急避妊薬(ノルレボ)で、2026年2月2日から研修修了薬剤師のいる薬局で購入できます。
Q2. オンライン診療でも保険は使えますか?今回比較したサービスは主に自費診療です。月経困難症の治療としてLEPを保険で処方してもらいたい場合は、保険診療に対応した医療機関(対面またはオンライン)を選ぶ必要があります。避妊目的のピルは保険の対象外です。
Q3. たばこを吸っていても飲めますか?添付文書では、35歳以上で1日15本以上喫煙する人は服用できないとされています。それ以外の場合も喫煙は血栓症のリスクを高める要因になるため、問診で正直に伝え、医師の判断を仰いでください。
Q4. 定期便はいつでもやめられますか?サービスによって異なります。2026年10月19日時点の公式サイトでは、決済前日までいつでも解約できるもの、次回発送の20日前までの連絡が必要なもの、3シート目を受け取るまで解約できないものがありました。申し込み前に条件を確認しましょう。
Q5. 飲み始めの不正出血は大丈夫ですか?添付文書でも頻度の高い副作用として挙げられており、飲み始めに起こることがあります。ただし続く場合や量が多い場合は、ほかの原因がないか確認が必要です。処方した医師に相談するか、婦人科を受診してください。
参考文献
- 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版」(Minds書誌情報)https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00641/
- PMDA 添付文書:月経困難症治療剤 レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール配合製剤(2023年11月改訂 第5版)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/bookSearch/01/04987846112097
- バイエル薬品「月経困難症治療剤ヤーズ配合錠による血栓症について」安全性速報 13-02号(2014年1月)https://www.pmda.go.jp/files/000144088.pdf
- 厚生労働省「月経困難症治療剤『ヤーズ配合錠』投与患者での血栓症に関する注意喚起について」(2014年1月17日)https://www.pmda.go.jp/files/000147186.pdf
- European Medicines Agency「Combined hormonal contraceptives」(2013年)https://www.ema.europa.eu/en/human-regulatory-overview/post-authorisation/pharmacovigilance-post-authorisation/referral-procedures-human-medicines/combined-hormonal-contraceptives
- 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議「公知申請への該当性に係る報告書(レボノルゲストレル 月経困難症)」https://www.pmda.go.jp/files/000148842.pdf
- 厚生労働省 専門作業班(WG)評価「ドロスピレノン・エチニルエストラジオール ベータデクス(PMDD)」https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001744766.pdf
- Cochrane「月経前症候群に対するドロスピレノン含有経口避妊薬」https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD006586.pub5/full/ja
- 参議院「女性のさらなる活躍に貢献することが期待される低用量ピルの普及に関する質問主意書」(2021年12月17日)https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/207/syuh/s207032.htm
- 朝霞地区医師会 牧田和也「低用量ピル」(志木市広報、2026年7月号)https://www.city.shiki.lg.jp/uploaded/attachment/23253.pdf
- 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(2026年4月改訂)https://www.mhlw.go.jp/content/001685701.pdf
- 厚生労働省「緊急避妊薬の薬局での販売について」(2026年10月1日更新)https://www.mhlw.go.jp/stf/kinnkyuuhininnyaku_00005.html
- 愛知県「緊急避妊薬について」(2026年2月19日更新)https://www.pref.aichi.jp/soshiki/iyaku/kinkyuhininyaku.html
比較表の出典(すべて2026年10月19日確認)
- エニピル(株式会社サルース)https://shop.salus-inc.com/lp?u=portal_lowdose-pill
- neumee 料金 https://neumee.clinic/price/ / 低用量ピル https://neumee.clinic/pill/low-dose/ / リブランディング発表(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000190850.html
- メデリピル https://mederi.jp/pills/lowdosepills/
- ルナルナ おくすり便(株式会社エムティーアイ)https://okusuri.lnln.jp/ / https://okusuri.lnln.jp/plans / https://okusuri.lnln.jp/s/lp/lunaapp_okusuri_lp/okusuri_main/plan_pill.html
- レバクリ(レバレジーズ株式会社)https://levcli.jp/pill/
この記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、診断や治療の代わりになるものではありません。服用の可否は必ず医師にご相談ください。
内容の最終確認:2026.10.19。誤りに気づいたらお問い合わせからお知らせください。


